[2014.5.29]連続セミナー『教育と刃物』12
鍛冶と諸職が支えてきたニッポンの暮らし
刃物と教育の事情に通じた講師12人による年間リレー式の連続セミナー。第12回は刃物離れとともに忘れられつつある大事な意味を、「刃物を作る職人」と「刃物を使う職人」の現場からのレポートを通じてお届けします。第一部の体験では、刃物を使って「火起こし道具を作ろう!」。生活から消えつつある「刃物」と「火」の真髄を体感しませんか。今回は木曜・夜の開催です!
かつての日本では、誰もが1本の刃物を巧みに操り、暮らしに関わるさまざまな「モノ」や「コト」を作り出すことができました。 ところが、この半世紀ほどの間に社会の状況は一変しました。判断力の未熟な子供からは刃物を遠ざけるべきという風潮が定着すると同時に、先端技術やサービス産業の発達により、ひとりひとりが毎日刃物を使いながら暮らしをクリエイトする必要性も薄れました。 この異変を、日本エコツーリズムセンターはとても重大なことととらえ、「刃物」をテーマに一年間の連続セミナーを行ってきました。
最終回の今回は、「火起こし」と「刃物を作る人、使う人」をテーマに、刃物や火に過剰反応しない「成熟した社会」について考えます。
刃物とは私たちにとってどんな存在なのでしょうか。
刃物離れとともに忘れられつつある大事な意味を、「刃物を作る職人」と「刃物を使う職人」の現場から考察します。20年以上に及ぶ職人取材のデータの中から貴重なビジュアル資料を豊富に用意しました。刃物が活躍する現場の様子をこれだけ一覧できる機会はほかにはありません。
同時にこの第二部では、今までのテーマのなかで浮き彫りになったさまざまな課題を振り返り、刃物に過剰反応しない「成熟した社会の形成方法」を皆さんと議論することができたら思っています。
*注意*今回は、木曜・夜、5月29日(木)の開催に変更になりました。ご注意ください。
●報告内容/☆鉄の基礎知識/☆さまざまな鍛冶職…刀鍛冶・野鍛冶・彫刀鍛冶・包丁鍛冶・鎌鍛冶・バール鍛冶・やすり鍛冶・蹄鉄鍛冶/☆鍛冶技術の基本/☆ヒトの成長における刃物の役割/☆刃物がはたらく現場…桶・うるし・臼・下駄・楊枝・竹細工・硯・一刀彫・和船・鍬の修繕・鰹節・猪肉専門店・定置網漁ほか
【facebook】に「教育と刃物」の特設ページがあります。
[第12回目スピーカー]
鹿熊勤氏(自然系ライター)
【かくま・つとむ】 1960年生まれ。アウトドアや農林水産業、日本の伝統技術などの分野で取材を続けるライター。野鍛冶を訪ね、地域の特徴的な刃物や技術を記録。訪ねた鍛冶屋は全都道府県計140軒を超える。近年は教育と文化の視点から刃物に関する提言を続ける。著書に『日本鍛冶紀行』『はたらく刃物』(ワールドフォトプレス刊)など。日本エコツーリズムセンター理事。
[フリーランスライター/日本エコツーリズムセンター理事]
[刃物クラフト講師]
関根秀樹氏(和光大学非常勤講師/原始技術史)
【せきね・ひでき】1960年生まれ。和光大学や桑沢デザイン研究所などの非常勤講師。古代発火技術や民族楽器の実践研究で知られ、パプアやアフリカの狩猟採集民の火起こし名人たちと競争して勝ったり、ネイティブアメリカンの長老たちに火起こしをレクチャーしたこともある。刃物に関する造詣も深く、古代の石器や日本の鍛冶技術を含む民俗刃物に通じる。各地で木や竹のものづくりワークショップを開催。主な著書に『縄文人になる!』(山と渓谷社)、『刃物大全』(共著・ワールドフォトプレス)、『新版 民族楽器をつくる』(創和出版)など。
「火起こし道具を作ろう!」
恒例のクラフト教室。ビクトリノックスのナイフを使って原始火おこし道具を作ります。火をおこす方法にはさまざまな技法がありますが、もっともシンプルで歴史もあるのが、板と丸い棒をこすり合わせるキリもみ式発火法。発火の原理とちょっとしたコツさえつかめば、誰でもマッチやライターを使わず火をおこすことができます。
[開催日程]
5月29日(木)
◆第一部 初心者向け教室『火起こし道具を作ろう!」 17:30~18:50
◆第二部 トークセミナー『刃物を作る人、使う人 』 19:00~21:00
[会 場]
日本エコツーリズムセンター (地図)
[参加費]
1,500円
[コーディネーター]
山中俊幸 |
雑誌・書籍・新聞・WEBの編集・記事制作、企業広告・商品広告の制作を行う広報のプロ。エコツアーや環境関連情報を発信するウェブサイト上の情報を一覧できる「エコツアー・ドット・ジェイピー」の制作者。
[株式会社クールインク代表/日本エコツーリズムセンター副代表理事] |
[全12回スケジュール]
第1回 |
人類と刃物──考古学・文明学・身体科学の視点から2013年6月28日(金)19:00~21:00講師:関根秀樹氏 |
第2回 |
銃刀法の現状とその影響2013年7月26日(金)19:00~21:00講師:服部夏生氏 |
第3回 |
子供と刃物──肥後守(ひごのかみ)で鉛筆を削る学校2013年8月30日(金)19:00~21:00講師:鹿熊勤氏 |
第4回 |
子供と刃物── 冒険遊び場プレーパークでの刃物の役割2013年9月27日(金)19:00~21:00講師:天野秀昭氏 |
第5回 |
子供と刃物──子供と刃物──ナイフメーカーの脳育教育の取り組み2013年10月24日(木)19:00~21:00講師:ビクトリノックス・ジャパン株式会社 田中麻美子代表取締役 |
第6回 |
子供と刃物──山村留学のこどもが言いました。「刃物は生活のタカラモノ」2013年11月22日(金)19:00~21:00講師:グリーンウッド自然学校理事 佐藤陽平氏 |
第7回 |
3.11避難所での物づくり~刃物のチカラ~2013年12月7日(土)14:00~17:30講師:小野寺弘司氏 |
第8回 |
狩猟とナイフ──自然教育ソフトとしての解体技術2014年1月30日(木)19:00~21:00講師:森のたね代表 井戸直樹氏 |
第9回 |
スカウティングと刃物──世界最大の青少年野外活動組織とナイフ2014年2月28日(金)19:00~21:00講師:佐久間宣吉氏 |
第10回 |
森の匠の刃物講座2014年3月28日(金)19:00~21:00講師:佃正壽氏 |
第11回 |
野遊びと刃物 ──ガキ大将キャンプで30年間ナイフを与え続けて2014年4月25日(金)19:00~21:00講師:アドベンチャー集団!Do 代表 黛徳男氏 |
第12回 |
最終回 教育と刃物 刃物を作る人、使う人 ──鍛冶と諸職が支えてきたニッポンの暮らし2014年5月29日(木)19:00~21:00講師:自然系ライター 鹿熊勤氏 |
★連続セミナー『教育と刃物』★
第12回刃物を作る人、使う人
【スピーカー】鹿熊勤氏(自然系ライター、教育と刃物コーディネーター)
【クラフト講師】関根秀樹氏(和光大学非常勤講師)
【コーディネーター】山中俊幸氏
【日時】2014年5月29日(木)17:30~21:00
★「刃物のミニ博物館」も臨時開設!
【参加費】1,500円(飲み物・お土産つき)
【協力・後援】ビクトリノックス・ジャパン株式会社
【協力】ワールドフォトプレス『ナイフマガジン』編集部
【場所】日本エコツーリズムセンター
東京都荒川区西日暮里5-38-5 日能研ビル6F
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972