[2007.12.11]
エコセンは新たな組織のカタチを模索していきたい。
日本エコツーリズムセンターの執行部が基本的にすべてを決めて動かし、メンバーは名前を連ねているだけ、という組織にはしないように、年4回メンバーが自主的に集まり、組織と活動の基本方針を議論し、ビジョンをつくるという運営を目指しています。コンセプトワークはそうした場のことです。
以下、エコセンの世話人とオブザーバー17名が参加した2007年12月11日の第2回コンセプトワークの内容の一部をご紹介しましょう。
*コンセプトワーク[第1回]
※下記内容は参加者の自由な発言をそのまま掲載したものであり、事実関係の検証は行っておりません。掲載の目的は、自由な発言の場としてコンセプトワークが開かれていることを示すためのものであり、その内容は日本エコツーリズムセンターの総意を示すものではありません。また、個々の内容についてのお問い合わせはお受けできません。
嵯峨創平 [(特)環境文化のための対話研究所 代表]
福井 隆 [東京農工大学 客員教授]
佐々木豊志[くりこま高原自然学校 代表]
日下田紀三[屋久町立屋久杉自然館館長/写真家]
長与純三 [シニア旅行カウンセラーズ 代表理事/元日本エコツーリズム協会 事務局長]
中澤朋代 [松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科 専任講師]
国安俊夫 [小田急電鉄(株) 法務・環境統括室プロジェクトマネジャー]
三好直子 [環境教育指導者]
高田 研 [都留文科大学 教授]
西田真哉 [トヨタ白川郷自然學校 校長]
海野義明 [(特)オーシャンファミリー海洋自然体験センター 代表理事/
(特)海に学ぶ体験活動協議会 代表理事]森 高一 [(株)アーバン・コミュケーションズ 環境プロデューサー]
広瀬敏通 [日本エコツーリズムセンター 代表理事/ホールアース自然学校 代表]
山中俊幸 [日本エコツーリズムセンター 事務局長/エコツアー・ドット・ジェイピー 編集人]
中垣真紀子[エコツーリズム・コーディネーター]
尾引美代 [エコツアー・ドット・ジェイピー編集部]
吉田 香 [エコツアー・ドット・ジェイピー編集部] 以上17名
エコセンでは、エコセンの活動を積極的に応援してくれる人や、地域でエコツーリズムを普及するキーマンとなる人を便宜上「世話人」と呼んでいる背景があります。今後、多くの世話人をエコセンのメンバーとして迎えることが、地域を元気にする活動に欠かせないという思いがありますが、そもそも世話人とは何か、誰がなるべきかは、議論の余地がありました。そこで第2回のコンセプトワークでは、この問題に多くの時間を割くことになりました。以下、参加者の発言からキーワードをまとめてみました。
●エコセンでは、メンバー同士が協働でアクションを起こせるとか、相互に応援、支援をするなどの仕組みを機能していきたい。
●名前の見えない形でなく、顔の見えるネットワークにしていきたい。
●設立以来、当初には声をおかけしなかった方たちからエコセンに積極的にかかわりたいという声が多く寄せられている。これらの方々の中で、地域や関連機関のキーマンとして活動している人には世話人という形でかかわってもらえるのではないか。
●エコセンの運動論として、世話人を軸とした組織(活動)にしてはどうか?全国各地にいる世話人がアクションを起こし、または起こせるようにエコセン(ほかの世話人)が可能な限りバックアップしていく。 つまり、相互扶助型の活動。
● 個人が何かをしようとするときに、ネットワークにいる人がサポートしてあげられるようになりたい。
● 地域というキーワードを足し算すると近い人ほど仲が悪いことがある。
● 仲が悪いことはあってもそればかりではない。近い関係の必然性だと思う。単位が小さいというのは多様性があるということ。
● エコセンに参加したいという人は、エコセンで具体的に何をやりたいのか?
● ただの会員になるのではなく、エコセンのプロジェクトにかかわっていきたいということ。
● 揖斐川のミーティングでは、のどから手が出るくらい繋がりが欲しい人がたくさんいた。世話人の人が核になって地域の吸引力となるのかな。
● 地域の人もそうでない人も、違う活動をしている人も、生かせる仕組みをつくれたら。
● エコツアーカフェという手法が初期段階の地域を動かす活動には有効だ。地域のさまざまな人の集まる場となりうる。
● そうやって集まることで見えないものが見えるようになるといい。自分や地域が見えるようになるといい。
● 世話人にはスキルがある人の他に若い人たちもいてよいのか? ⇒世話人見習いという考え方
● 地域の資源探しとか、一時人手が欲しいことがある。エコツーWWOOFみたいなのがあれば、立ち上げのステージの人たちにはありがたい。
● 今までは地域では自然や地域の文化は金にならないという考え方が主流だった。都市化が生きる道だとされるアカがすり込まれている。地域独自の生き方がいいと言ってあげるだけで、大きな力になると思う。
● 自信と誇りですね。
● 場をいっぱいもっていると見落としがちだが、繋がり持つことは大変だし、大事。それを思うとエコセンの役割はいっぱいあると思うが、現状は体だけで活用方法を見いだせていなくもったいない。
【ここまでの話をまとめると】
世話人とは・・・世話人というかたちの活かし方』
◆ 小さな単位のネットワーク
◆ ある地域の世話人が軸となった活動を他地域の世話人(エコセン)が応援する仕組み⇒中央指令型ではなく相互扶助型全国ネットワーク
◆ 地域単位のつながりのロスを最小にするために、エコセンという組織活動がある
◆ 《カフェ》という場と人の出会いを有効に使う
◆ エコツーWWOOF
● 他の組織と違うのは、世話人が自分の世界をもっている人たちだということ。肩書きで参加しているのでなく、実際に動ける人たち。
● 世話人になれる人にはなってもらい、ちょっと休みたい人は休んでもらうかたちが良い。
● 組織の代表の人ばかりでなく、中堅どころなどの人にも加わってもらうほうがいい。1戸に1票でなく、1人票。
● エコセン(という組織活動)の世話人なのか、エコツー(という地域活動)の世話人なのか?
エコセンという組織のためだけに働くというようにならないために。
● 世話人がエコセンのネットワークを使いたいという時にどれだけサポートできるか。規模が小さいときはいいけど、大きくなった時には、どこまで、機能的に機動的に動けるか。それを考えておいたほうがいい。
● 世話人見習いづくりも今のうちからやる必要がある。いつまでたっても同じ顔ではまずい。
● この場所に集まらなきゃ何もできないということでなく、沖縄などにいてもできるというような仕組みが必要。
● 今の段階では顔と顔をあわせて話せる繋がりを活用していくかたち。
● エコツーリズムに限らず、自分のアクション・世界をもっている人と繋がっていくということで、世話人を広げていく。
● ある種の紳士協定のようなもので、名前だけではないが、過度の仕事はかけないとか、いつも無料でないとかいう仕組みがいい。
● 世話人は全国にいるので、“場”をつくったらどうか。これからやりたい人もいるし、学生もいるし、具体的に集まれる場所も重要。10人でもいいけど、みんなが月1回集まって話しができるというような仕組みがつくれたらいい。
● 集まる時には何かの目標が必要。
● エコセンが活動の対象とするのはメジャーなところでなく、マイナーな所ですよね。そこでは地域の利害関係の調整と、商品づくりの2面が必要。こういうことを解決できますというようなことをテーマにすれば、分かりやすいのでは。
● 何とかならないかと口々にいうが、地域の処方はそれぞれ違う。違うが、取組み事例を紹介していくことも必要。
● 経験値の集積、失敗事例があってもいいかも。それの共有。
● あなたの知恵を下さい、という感じですね。
● その知恵をつなげるんですということですね。
【ここまでの話をまとめると】
◆ 世話人が独自に取り組んでいる地域ごとの活動や自分の団体での活動を主体として、エコセンがそれを応援していく仕組み
◆ エコツーリズムだけではない活動分野からも世話人を求めていく
◆ 世話人を軸とする活動を動かすための処方を早急に作成する
嵯峨創平
福井 隆
佐々木豊志
日下田紀三
長与純三
中澤朋代
国安俊夫
三好直子
高田 研
西田真哉
海野義明
森 高一
広瀬敏通
中垣真紀子