[2008.01.11]
「エコツーリズムで地域を元気にしたい!」という思いとともに、2007年夏に始動したのが日本エコツーリズムセンター。
「地域とは何か?」「地域に求められているものは何か?」「エコツーリズムは地域にどのように関わっていけるか?」などなどを、実践者や研究者らが集まって検討を重ねています。
今回エコセンが設立記念として実施したシンポジウムは、「地域に導入されたエコツーリズム」にフォーカスを当てるもの。基調講演で「実践例」を紹介しながら、「エコツーリズムで地域を元気にする方法」をパネルディスカッションを通して探りました。
【日 時】2008年1月11日(金) 14:00〜19:00 (13:30開場)
【場 所】国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都・代々木)
センター棟4F 403号室
●基調報告1
「農山村は学びの宝庫――TAPPO南魚沼やまとくらしの学校の取り組み」
――高野孝子氏[NPO法人ecoplus代表理事、早稲田大学客員凖教授]
[たかのたかこ]新潟県在住。英字新聞記者を経てフリーランス。92年、94年と二つの教育団体を立ち上げ、「人と自然と異文化」をテーマに体験を重視した地球規模の環境・野外教育プロジェクトの企画運営。活動歴には、犬ぞりとカヌーによる北極海横断やアマゾン川下りなど、零下50度からプラス60度の中での数多い遠征が含まれる。「地域に根ざした教育」の重要性と「農山村は学びの宝庫」を訴え、07年より「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」事業を開始。
●基調報告2
「限界集落への挑戦、都市と農村の交流による農村の活性化」
――曽根原久司氏 [NPO法人えがおつなげて代表理事]
[そのはらひさし]山梨大学客員准教授、関東ツーリズム大学(設立準備中)事務局長。経営コンサルタントとして銀行などの経営指導をする中、日本の未来に危機を感じ、社会救済モデルを創造すべく、東京から山梨の農山村地域へと移住。農業・林業をしながら“村・人・時代づくり”をコンセプトにしたNPO法人えがおつなげてを設立。そのネットワークを広げている。
●基調報告3
「新しいクニと精神の疎開者」
――関原剛氏 [NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部専務理事]
[せきはらつよし]1961年新潟県生まれ。新潟県上越市の協同組合ウッドワーク顧問。東京で商業施設デザイナー。96年上越市へJターン。原木の産地認証、製造した職人の情報、家具をつくるために間伐され元気を取り戻した山の様子など消費者に向けて発信。産地認証システムにはNPOが不可欠であり、森林組合、木材業者、家具職人の木材流通のコーディネーターの役割を担っている。
●パネルディスカッション
「エコツーリズムで地域を元気にしよう!」
――コーディネーター:福井隆氏 [東京農工大学大学院客員教授]
[ふくいたかし]1954年三重県生まれ。最終学歴にける専攻は社会調査・社会心理学。現在、中山間地を中心とした地域で、内発的な地域活性化支援を行うと共に、合意形成、農業知財の分野で積極的に各地域において活動中。
――パネラー:高野孝子氏、曽根原久司氏、関原剛氏、
広瀬敏通氏 [日本エコツーリズムセンター代表理事]
[ひろせとしみち]ホールアース自然学校代表。国内では草分け的なエコツーリズムの実践者であり、エコツアーサイトの開発、エコツアーガイド養成等、全国的に活躍し、沖縄県のエコツアー産業の生みの親として知られる。環境省エコツーリズム推進会議委員など、エコツーリズム、環境教育分野の審議会などの委員を多く務める。環境教育、野外教育分野の専門家。
年明け早々の忙しい時期に開催したシンポジウムでしたが、多くの方々が参加し、会場を埋め尽くしました。「エコツーリズム」や「地域」への関心の高さを改めて実感しました。
基調講演を行う高野さん。地域に訪れる人と住民が、雪かきや田植えなどの作業を一緒に行うと、作業は「遊びと学び」に変わり、個々の価値観も変わってくることを事例を通して語ってくれました。
荒廃した農地をボランティアを迎えて復元させるなど都会のニーズと地域のニーズを見事につなぐ成功事例を多数紹介した曽根原さん。今後の農林業や交流事業の可能性への期待感が湧く報告となりました。
都会にいる「人」は五感を喪失してしまっているが、地域にいる「人」はバランスがとれている。その「人」こそが各地域の最大の資源だと、「人ツーリズム」提案した関原さん。
パネルディスカッション。左から福井氏、高野氏、曽根原氏、関原氏、広瀬氏。
住民、企業、自治体、学校などをつなげる輪になるのがNPOの役割で、それは中心のない輪。「エコセンにその役を」という期待も寄せられました。
司会のエコセン事務局・中垣は着物姿で。今日は成人式?とみんなに声を掛けられました。
参 加 者 の 声
[基調報告について]
参 加 者 の 声
[パネルディスカッションついて]
[シンポジウムに寄せて]
――日本エコツーリズムセンター顧問からのメッセージ