[2008.07.20]

岩手・宮城内陸地震で被害を
受けた「くりこま高原自然学校」。
第1回くりこま復興支援ツアー報告

東北の数少ない自然学校のひとつとして活動し、不登校の子たちの寄宿や山村留学、森のようちえんなど数々の取り組みを行ってきた「くりこま高原自然学校」が、6月14日(土)の岩手・宮城内陸地震で甚大な被害を受けました。エコセンでは地震発生当初から情報収集に務め、できるかぎりのバックアップを行うべく行動しています。

被災した自然学校や耕英地区の復興の応援・支援の一環として、エコセンでは「復興支援エコツアー」を7月20日から1泊2日の日程で実施しました。くりこま高原自然学校・校長の佐々木豊志さんの案内と、耕英の開拓の
方々との交流や語らいを軸にしたエコツアーです。

 

参加者自身「被災地を訪れてもいいのだろうか」という疑問を持ちながら、「でも何かしたい」という気持ちをいだいての参加でした。実際に参加すると、佐々木さんや一緒に案内をしてくれた地元の方に、「来ていただくだけで復興支援になる」と言っていただけました。

最後に参加者からは、「これから長いこと復興を応援していきたいという気持ちを持つようになった」「この時期だからこそ、このツアーだからこそのことが体験できて良かった」「風評被害に対してエコツアーが役立つと思った」などの感想を聞くことができました。

 

写真のキャプションは宮城県内からの参加者である山口裕之さんからいただいた感想を抜粋したものです。

 

エコセンProject09

 

荒砥沢ダム

荒砥沢ダム付近の地滑り現場に立ちました。道路わきの山塊がブロック状に地滑りを起こしていて、歩いていくと道路が突然なくなり、むき出しの岩だけの世界が現れます。

 

荒砥沢ダム

地震後1週間ほどは生きものの気配がなくなり、とても静かだったそうです。私たちが訪れた日は、鳥のさえずりがよく聞こえていました。

 

お茶碗プロジェクト

被災した方に無料でお茶碗を配布する「お茶碗プロジェクト」が、栗駒の「みちのく風土館」と花山の「湖畔の里」(高齢者生活福祉センター)で実施されました。

 

ひまわりおじさん

「お茶碗プロジェクト」に取り組んでいる神戸のひまわりおじさんこと荒井さんは、阪神淡路大震災の経験者です。夜には荒井さんのこれまでの実践(阪神淡路大震災、中越地震、中越沖地震、そして今回)をうかがい、たいへん感銘を受けました。

 

レクチャー

夜は、くりこま高原自然学校アネックス松倉で、佐々木豊志さん、大場浩徳さん(耕英地区振興協議会会長)、荒井勣さん(NPO法人ひまわりの夢企画)、広瀬敏通さんの貴重な話をうかがい、自分と今回の地震のかかわりについて考えを深めることができました。

 

二迫川

山が崩れた。家が壊れた。そういう物理的な被害は見えやすい。その一方で、例えば日本でただ一軒、正藍染を今に伝える農家のそばを流れる二迫川が濁ってしまい、今年の反物の染め作業ができなくなるなど、今回の地震では地域の文化も被害も受けました。そういう文化の被害の深刻さは、現地で実際に話を聞かないとなかなか実感できないということが分かりました。また、地震によって過疎が一気に進んでしまう危険性も、現地に身を置くとひしひしと感じます。

 

 

★★支援基金★★

「くりこま高原自然学校支援基金」は9月30日に終了しました。ご支援ありがとうございました。>>詳細はこちら

 

★★震災エコツアー第1弾「くりこま復興支援ツアー」★★

 

【日時】7月20日(土)〜21日(日)1泊2日

【場所】宮城県栗原市

【集合】東北新幹線くりこま高原駅10時45分集合

【定員】15名 2時間程度の徒歩が出来る方(小学生以上)

【費用】12,000円(新幹線交通費別、宿泊費無料、食材費込み、懇親会費別)

 

 

 

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