[2009.05.23]
東北の数少ない自然学校のひとつとして活動し、不登校の子たちの寄宿や山村留学、森のようちえんなど数々の取り組みを行ってきた「くりこま高原自然学校」が、2008年6月14日(土)の岩手・宮城内陸地震で甚大な被害を受けました。エコセンでは地震発生当初から情報収集に務め、できるかぎりのバックアップを行うべく行動してきました。そして、昨年は3回の震災エコツアーを実施しました。
今年も震災エコツアーを実施し、くりこま高原自然学校や耕英地区、栗原市を支援していきます。
実際に現地に赴くことは、“被災”ということを体感でき、災害の多い国に住む日本人にとって大切な災害教育になります。今回被災した方も、「これまでほかの場所での地震では、大変だなぁと思っただけだった。だけど、今は被災の苦しみがわかり、他の被災地も支援するようになった」と言っていました。また「被災者の声はなかなか届かない」とも言っていました。私たちは今後も現場の声を聞きに行き、またその声を全国に発信していきます。
【1日目・商店街、荒砥沢ダム】
まずは栗原市の栗駒総合支所へ。耕英地区の避難指示は住民向けには解除されましたが、地区外の人が入るには許可が必要です。参加者全員が支所での手続きを行いました。
仮設住宅ができるまで避難所となっていた伝創館。今は住民のみなさんによせられた全国からのメッセージが飾られていました。
お昼ご飯は風土館で栗原の新郷土料理「そばだんご」をいただきました。出汁がきいていてとても美味しいです。見た目はシンプルですが、おなかいっぱいになります!
栗駒の六日町商店街を散策。八百屋や酒屋のご主人からお話を伺いました。レトロの雰囲気があるステキな商店街です。みんなでいっぱいお買い物をしました。
栗原市内には6つも酒蔵があるそうです! この夜の交流会で美味しいお酒をいただきました。
大崩落をおこした荒砥沢ダムを一望できる展望台。
荒砥沢ダムの麓にあるさくらの湯のご主人から、実際に崩落を見た時の様子をうかがいました。崩落の跡をジオパークとして残すために奔走しているそうです。
くりこま高原自然学校松倉校には、地震直後の本校の様子を伝える写真が展示されていました。
耕英のイワナや栗駒の湯葉など地元の食材をふんだんに使って
美味しい夕食を用意してくれました。
赤いバンダナの女性が名シェフ“すがっち”です。
くりこま耕英震災復興の会会長の大場さんが交流会に来てくれました。地震では、ご自身も4.5mほど飛ばされたことなどを語ってくれました。
商店街の方々同様、エコツアーで人が来てくれるのは嬉しいとおっしゃっていました。「実際に見て状況をわかってもらって、支援をして欲しい。まだまだ長い道のりだから」と。
【2日目・耕英地区へ】
耕英地区にあるくりこま高原自然学校。地面が赤い部分は地割れがあって埋めた後。右の建物の基礎には亀裂が入っていて、そこに水が入らないようにカバーをしています。修理の計画はありますが、まだ手をつけられないのが現状です。
今回の地震で一番揺れたと思われる箇所へも行きました。この
大きな石は、左の穴から転がり出たのではなく、飛び出たようです。
昨年は収穫直前に地震が発生したため、収穫できなかったイチゴ。今がちょうど苗を植えるシーズンです。まだ家も再建できていないままですが、町から通って育てています。
地震後ずっと川が濁っていました。1回目のツアーで訪れた時もにごりがひどく藍染めができなくなっていた二迫川(左)も、今回はきれいになっていました。
ヘルニアで入院をしている佐々木さんのお見舞いに行きました。元気になっていて、これからの復興計画などを熱く語っていました。「こういうことを伝えていくのが自然学校の役目」と。
参 加 者 の 声
●第1回くりこま復興支援ツアーの様子はこちら
【日時】5月23日(土)〜24日(日)1泊2日
【場所】宮城県栗原市
【集合】東北新幹線くりこま高原駅10時45分集合、翌15時40分解散
【定員】15名 1時間程度の徒歩が出来る方(小学生以上)
【費用】12,000円(新幹線交通費別、宿泊費無料、食材費込み、懇親会費別)
※参加費は全額くりこま高原自然学校にお渡ししています。
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-6457-3952 Fax:03-6457-3951