[2008.03.07]
エコセンは新たな組織のカタチを模索していきたい。
日本エコツーリズムセンターの執行部が基本的にすべてを決めて動かし、メンバーは名前を連ねているだけ、という組織にはしないように、年4回メンバーが自主的に集まり、組織と活動の基本方針を議論し、ビジョンをつくるという運営を目指しています。コンセプトワークはそうした場のことです。
第3回目となるコンセプトワークは、2008年3月7日、エコセンの世話人とオブザーバー18名が参加して開催されました。
※下記内容は参加者の自由な発言をそのまま掲載したものであり、事実関係の検証は行っておりません。掲載の目的は、自由な発言の場としてコンセプトワークが開かれていることを示すためのものであり、その内容は日本エコツーリズムセンターの総意を示すものではありません。また、個々の内容についてのお問い合わせはお受けできません。
三好直子 [環境教育指導者]
海野義明 [(特)オーシャンファミリー海洋自然体験センター 代表理事/
(特)海に学ぶ体験活動協議会 代表理事]
福井 隆 [東京農工大学 客員教授]
西田真哉 [トヨタ白川郷自然學校 校長]
田村孝二 [(株)カントリーレイクシステムズ 代表取締役/(特)富士山自然体験推進協議会 副代表理事]
佐藤初雄 [国際自然大学校 代表]
長与純三 [シニア旅行カウンセラーズ 代表理事/元日本エコツーリズム協会 事務局長]
中野民夫 [ワークショップ企画プロデューサー]
大浦佳代 [海月 sea moon 代表]
川嶋 直 [財団法人キープ協会 常務理事/立教大学異文化コミュニケーション研究科 客員教授]
小林 毅 [岐阜県立森林文化アカデミー 教授/(株)自然教育研究センター 顧問/
日本インタープリテーション協会 代表]
東條英利 [(株)アセント戦略ネットワークス 代表]
小林智文 [(株)カントリーレイクシステムズ 企画課・事業部総括]
広瀬敏通 [日本エコツーリズムセンター 代表理事/ホールアース自然学校 代表]
山中俊幸 [日本エコツーリズムセンター 事務局長/エコツアー・ドット・ジェイピー 編集人]
中垣真紀子[日本エコツーリズムセンター 事務局次長/エコツーリズム・コーディネーター]
尾引美代 [エコツアー・ドット・ジェイピー編集部]
吉田 香 [エコツアー・ドット・ジェイピー編集部] 以上18名
エコセンの事業とは何か。エコセンが事業主体となる(収支を自己完結させる)形のほかに、エコセンが黒子となって地域が主体の事業を支援するスタイルもある。
地域で事業を行っている世話人などとの事業連携の方法は?
エコセンは単なるネットワーク機能の中継事務だけを行うのではない。エコセンだからできる“地域を元気にする仕事”とは何か?
●エコセンの現状の事業の柱は人材育成。2泊3日の講習会。地元学や地域学、起業の講義が充実してきて、受講生の評価も高い。
●今まで実施してきた開催地へのアプローチの仕方のキーワードは?
●地域再生の担い手をつくるということ。必ずしもエコツーリズムという名前ではない。
●街づくりという言葉をツーリズムに置き換えている地域がある。
●関原氏が人ツーリズムという言葉を使っていたが、それが日本の現状を表しており、いい表現だと思う!
●「町の元気を村の産業に」というキャッチフレーズを使っている人もいる。
●東北はエコツーの動きが少ないのが現状。
●東北は歴史的に都市に収奪されてきた地域。独特の感じ方がある。でも、素材は全国でもぴか一と言っていいほどたくさんある。
●今は、鳴子では「死ぬまで米をつくる」という人がでてきたり、海外でも評価される藍染もでてきたりしている。
●それが、誇りの再生なんです!
●“エコビレッジ”とか全部横文字。でも、“地元学”とか日本語がいい。
●ある地域で「なぜ足踏み状態になっているのか」話をしたが、エコにかかわっている人がピュアになってしまって、一般の人と話が合わないということもある。地域の人が使う言葉・感覚と大きくはなれてしまっている。
●地域の女性グループの間でも、これをやってもその先がないという懸念がある。そこにエコセンがどうかかわって、何ができるのかをもう少し具体的に見せていけたらいい。
●観念ではなく具体や実践を見せられるようにしよう。
●地域のことを発掘しながら、交流を通して事業にしようという話がたくさんある。それをエコセンで紹介していくというのはどうか。
●エコセンの役割はいくつもあるが、それだけのマンパワーが今はない。始めのうちは必要な仕事を形にするための専門家チームを作って動く必要がある。
●川の上流と下流というつながりも注目されている。水が大事だが、水を汚さないためには、どうしたらいいかというアクションにはまだつながっていない。
●それより「“上流社会”がいい!」と。みんなで川の上流部の過疎地域の重要性や誇りを復活させることをまず最初にやりたい。
●養成会は重要だがどういう人材を育成するのかがポイント。カリキュラムも技術論だけでなく、仕組みを自ら作れるような人材が求められている。
●教えるといのは上から目線になって地域では反発もありうる。
●地域の人と懐を開いて飲みあうことも大事。こちらから、あれしたい・これしたいと言って入っていくやり方ではだめ。
●養成・育成だけでなく、(人材を)捜すという視点も必要。地域では5人ぐらい探せば動き出せる。それを支援する。
●問題提起になるが、地域の活性化は弊害がいっぱいある。たとえば、民泊などは、ある程度の観光地にはかなりの軋轢が生まれる。
●今まで「業界」と呼ばれるものに入らなかった人たちが動いている。
●今まで旅行会社は、航空会社や運送などの“代理”店と言われていた。これからはお客様の“代理”。
●広告代理店の場合も、当初は媒体の代理、その後は企業の代理といわれ、今は社会・生活者の代理、といわれている。
●そういう中でエコセンが何をできるか、何で収入を得られるか。
●地域の代理では。
●エコセンは地域を元気にする専門機関という役割。専門性がある人がたくさんそろっている。コンサルティング=世話人を軸に働こう。
●エコセンをこんな風に使えるよっていうことをアピールしていこう。
●自分たちと地域の未来がどうなりたいか? それが共有できるかどうか。
●何したいのって言っても、田舎では「何」が明確な言葉で出ていない。
●みんな地域を変えたいって言うのは共通している。
●だからそのプロセスを共有する。
●田舎の価値を貨幣価値にかえてみると、500万円くらいになる。おいしい水、安全な食材、豊かな自然環境、安全・・・。都会でわざわざお金を出して買っているものが田舎にはある。自給・助け合いの豊かさがある。
●都市やグローバルな物差しでしかで見ていないことが多いが、そうじゃない価値がある。
●豊かさの物差しを一緒に探そう。
●ブータンでは、GDPでは日本の80分の一だが、94%が幸せだと思っている(GHP:国民総幸福量)。
●あまり精神論にならないのも大事 。
●地域の人に、自信をもってもらうことが大事 。
●資源発掘してあげればいいのでは。
●資源って言っちゃいけない。当たり前のものがいい。宝探しは地域の収奪につながる。
●われわれエコセンが、共通の概念を持っていたほうがいい。それには共通の体験がほしい。地元学の勉強会も必要。
●自信とか誇りをもつということ。
●ないものねだりから、あるもの探し。そうすれば、愚痴から自治への変換が生まれる!
●感性といったが、共有している価値、何が大事とか。方法はいろいろあるが、その価値を伝えていくということ。
●都会にいる人はお世話になるということを忘れずにやっていくことが大事では。
●自然と人とのつながりがもともとあった。それさえあればよかった。
●われわれ自身が学ぶことが大事。
三好直子
海野義明
福井 隆
西田真哉
田村孝二
佐藤初雄
長与純三
中野民夫
大浦佳代
川嶋 直
小林 毅
東條英利
小林智文
広瀬敏通
山中俊幸
中垣真紀子
尾引美代
吉田 香